BULLは株式会社ザオバ様が販売する高品質のパワーリフティング器具のブランドですが、この度美しいことで有名なK’SGYMにスクワット&ベンチラックが納品されましたのでレビューしたいと思います。
現在の世界パワーリフティング連盟(IPF)の主流がELEIKOのラックであり、ザオバ様も当然そこは意識して開発されていますのでどうしてもELEIKOとの比較になってしまいます。
セーフティー

まずは全日本ベンチプレス選手権大会の時に指摘されたセーフティーとラック下部の干渉問題ですが、斜めの角度が浅くなることにより解決されています。
この斜めにより万が一の事故を防いでくれます。
ラック

画像では逆に伝わってしまいそうですが。。。
ELEIKOに比べてBULLの方がラックが細いです。ほんの2mmほどですが見た目は明らかにラック間が狭く感じます。
細いってダメじゃないの?
いえいえ。ここが僅かに細いのが良いんです。
ELEIKOのラックはスクワットで歩いてポジションを決める時によく引っかかりました。ラックだけでなくELEIKOシャフトとの組み合わせもあると思いますが、ELEIKOが公式になってからはよーく引っかかりました。
特にフルギアは自身の扱える重量を遥かに超えた重量を担いで歩き、ポジションを取るためここで干渉するとかなりのダメージが身体に入ります。
それ故、軽量級、中量級の選手はこの問題を解決するためにインラック(ラックを内側に倒すこと)で試技を行っていました。
BULLのラックは強度を保ちながらほんの少し細くすることにより干渉しにくくしています。
シャフトとの組み合わせはありますが、軽量級の選手もインラックをせずにすみます。
インラックや片方だけインラックはアウトラックのみに比べるとセッティングの手間が発生し、大会運営に影響がありました。
それが緩和されるだけでもメリットはあります。
インラック

もちろん、IPF公認の仕様なのでインラックも出来ます。
ラックのローラー、ピン

ローラー部分の回転はELEIKO同様に回転が良いです。ジムのELEIKOはかなり使い込んでいるため回転の比較は出来ませんでした。
ピンの磨き仕上げもとても綺麗です。
シート、足台

ベンチシートですが、縦が約136cmでELEIKOよりも15cm長いです。
これは脚をベンチ台の上に乗せてブリッジを組む選手がやりやすくなっています。
シートが長いのとジャッキの長さがあるため、省スペースではありません。個人宅での使用の場合は設置場所は考慮しないといけません。
ベンチシートの幅は約32cmでELEIKOよりも約1.5cmほどワイド仕様です。
背中の広い重量級でもフォームを組みやすくなっています。
ベンチシートの高さは約44cmです。シート自体の硬さは硬すぎず柔らかすぎずです。ELEIKOとパワーラインの中間くらいです。シート材質はやや滑りにくい仕様です。
ふかふかとはいきませんが、ブリッジは十分に決まります。
補助の足台の位置もELEIKOより高くなっており、補助する側が取りやすくなっています。
まとめ
BULLの Squat & Bench Racksは後発ということもあり、ELEIKOをより使いやすく改良しながら、IPF規格に準じた作りになっています。
日本の企業で国内大会への供給や対応の早さ、スペックが申し分ない事も考えますと、国内での公認を取っているベンチ、スクワットラック台はBULLが優勢になってくるでしょう。
協会やジムで次の購入を考えられているなら間違いなくBULLです。